赤星たみこのゆっくり生活
第29回 『なるべく』主義
毎年、いろんな目標を立てては挫折している私ですが、去年決めた「なるべく玄関の靴をそろえること」は、まだ継続中です。時々忘れるけど、いいんです。「なるべく」だから。
今年は「寝る前になるべく台所の流しを片付ける」というのを続けています。
今までは夜更けに何か飲んだときは、グラスを流しに持っていくだけでした。朝洗えばいいや、って思って。だけど、朝起きて流しに食器がおいてあると、朝ごはんを作るのに、それを片付けてからじゃないとダメです。
そうすると面倒になって、アシスタントさんが来ているときなんか、「時間ないから何か買ってきて」と、結局食器は片付けないし食事も作らないという、ずぼら生活でした。忙しいから仕方が無い、と言い訳して。
でも「なるべく、寝る前に流しを片付ける」と決めたら、けっこう続いています。そして気持ちがすっきりしてきました。自分がすごくしっかりした主婦になった気がするし。もちろん、夫にも寝る前のビールのグラスと缶はちゃんと片付けてから寝るように、と伝えましたよ。二人して忘れることもありますが、そこで怒ったりしないで「なるべく」続けようね、と話しています。
絶対やろう!という考えだと挫折しますが、「なるべく」やろう、という考えなら、ホント、気軽に続けられますね。
※この記事は、フリーペーパー『まいぷれ』に掲載されたものです。
赤星たみこ(漫画家・エッセイスト)
漫画家の多忙な生活から、家事の手間を省く方法を考案し発表している。新刊『赤星生活』(講談社)では、今まで実践してきた生活のコツを伝授。ダイエット、掃除、料理… 自分をダメダメだと思っている人に勇気を与えるビタミン剤的1冊となっている。
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