過去には、立派な武道家と呼ばれる人々が多く存在しました。
私たちはその足跡を少しでも追いかけるべく、日々精進し、稽古に励んでいます。
しかし最近、優れた武道家というのは「なるもの」ではなく、「なっていくもの」ではないか、という思いが湧いてきました。
武道を習わせたいと考えるご父兄も多いでしょう。
多くのご父兄は、次のような期待を抱きながら、お子さんを武道に通わせているのだと思います。
・礼儀正しくなってほしい
・感謝の心や謙虚な気持ちを持った人になってほしい
・恥を知る気持ちを持ち、恥ずかしくない行動をしてほしい
・優しさ、真心、慈悲の心を持ってほしい
・善悪を見極め、正しい生き方をしてほしい
・信念を持ち、人から信頼される人になってほしい
その期待に応えるべく、日々稽古を重ねているわけですが、実際のところ、己を見つめ、反省し、厳しく修行を積み重ねることができる武道家は、決して多くはないのではないかと思います。
人間は基本的に弱いものであり、自らを律して高みに至ることは、決して簡単なことではありません。
そのため、武道を習わせることで、必ずしもご父兄の期待に応えることができるわけではないという現実もあると思います。
しかし、私の道場では、入門当初に比べて、明らかに人格的に成長した子どもたちが多くいるのです。これは、もちろん本人の努力もありますが、私自身はその子どもたちを取り巻く環境が、人格向上に大きく寄与していると感じています。
武道を習っている子どもたちと、そうでない子どもたちには明確な違いがあります。
それが、次のフレーズに現れることがよくあります。
「A君!あなたは空手(または他の武道)を習っているでしょ!」
この言葉は、宿題をやらなければいけない時や、お手伝いをしなければいけない時、だらしない行動をした時など、さまざまな場面で親から言われることが多いです。
そのたびに、武道をやっている子どもは、「武道を習っている自分」として、恥ずかしい行動や態度を反省しなければならないと自然に考えさせられます。
このように、何度も繰り返し言われ続けることで、子どもたちは徐々に武道家としての自覚を持ち始め、成長していくのではないでしょうか。
武道家になることは非常に難しいことです。しかし、私たち凡人は、周囲から「武道家でしょ!」と言われながら、その期待に応えようとする中で、次第に武道家としての自覚が芽生えていくのだと思います。
道場に入門したばかりの子どもたちは「武道をやっている子として、恥ずかしくないの?」と言われ続け、その後、ある程度しっかりしてくると、次は黒帯に昇段し、「黒帯として恥ずかしくないの?」と問われます。さらに年月が経つと、「指導者として恥ずかしくないか?」「師範として恥ずかしくないか?」といった自問自答のレベルにまで至ります。
武道とは、まさにこのようにして少しずつ成長し、鍛えられていくものなのです。
貴方も心配いりません。
周りがちゃんと貴方を立派な武道家にしてくれます。
体験は無料です。
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